東京大空襲から77年、東京大空襲・戦災資料センターが開館して20年、都教組も加わる「東京大空襲を語り継ぐつどい実行委員会」主催で、「東京大空襲を語り継ぐつどい」が、3月6日、2年ぶりに現地会場、カメリアホールで開催されました。
都教組の木下雅英委員長による開会あいさつに続き、東京大空襲の体験者の一人、関野清雪さんが「学童疎開から逃げ帰って」と題して、山形の疎開先から自宅に帰ってきた数日後に東京大空襲の被害を受けた体験を、手製の地図を使いながらリアルに語りました。関野さんは、学校でも教職員の集まりでも、どこにでも駆けつけて話すよ、と言ってくださっています。語りのお問合せはセンター(03-5857-5631)または都教組(03-3230-3891)まで。
続いて、戦争被爆地と交流しセンターで学んだ都内の子どもたちが何人も来場し、戦争被爆地の人々との交流やセンターで学び心に残ったことなどについて、一人ひとり、自分の言葉で平和への思いを語りました。
その後、戦災資料センターで活動している学芸員の比江島大和さんが、開館20年をむかえたセンターの歩みについて、映像を交えながら話しました。コロナ禍で全都全国からのセンター来場者が減っており、戦災資料が約6000点も保管され、民立民営の貴重なセンターの活用と支援へのお願いもありました。
記念講演は「空襲犠牲者の救済と日本の戦後補償~戦争被害受忍論という『法理』」と題して、毎日新聞記者の栗原俊雄さんが話しました。「戦闘は終わったが戦争は終わっていない。戦争被害の補償に大きな差別があることを知ってほしい」など、取材を通じて得た事実や空襲被害者の救済を求める活動も紹介しながら話しました。栗原さんが執筆した岩波新書『東京大空襲の戦後史』が出版されたばかりです。
最後に、センターの館長で歴史学者、一橋大学名誉教授の吉田裕さんが、閉会のあいさつを行いました。
ロシアによるウクライナ侵略が今も続けられています。子どもたちを含む多くの犠牲者が出ています。日本の子どもたちは学校で、家庭で、「戦争」を目の当たりにして、どのような気持ちでいることでしょう。こうしたときだからこそ、子どもたちと「いのちと平和の尊さ」を共有することが重要になっているのではないでしょうか。それには日本で、東京であった「戦争」のさまざまな資料、戦禍にあった人々の話などから、「戦争」の実相や経緯などを学び、考えることが欠かせません。東京大空襲・戦災資料センターでは、授業や行事、調査等で活用できる、吉田館長監修の『東京大空襲・戦災資料センター図録』を発刊しました。申込はセンター(03-5857-5631)または合同出版物流センター(048-291-9412)にお問合せください。